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Re: 掛け合い

 投稿者:T.Oda  投稿日:2021年 4月29日(木)14時35分24秒
  通報 返信・引用 編集済
  信一様,素晴らしいコメント,ありがとうございます.さらに状況が詳しく分析できてきたと思います.
ブルックナーの交響曲第9番でも,類似のアレンジが行われていると考えてよろしいのですね.
なお,未完成における「鐘の音の様な音響」は,宇野氏には聴こえていたと思います.それは,私自身の経験によります.
40年以上前になりますが,学生と二人で,新たなオーディオ装置のテスト用に買ってきたLPを
視聴し始めてまもなく,オーケストラの音で,あたかも教会の鐘の様な音響が聴こえてきました.
その時,思わず,二人で顔を見合わせ,「今,鐘の音が聴こえたよね」,「聴こえました.すごいですね」
という会話がありました.そこで,ライナーノートを見ると,鐘の音の記述があって,納得した記憶があります.
その時の装置は,カートリッジは失念しましたが,プリアンプは自作のマランツ回路,
メインアンプはラックスキットの6CA7三結PPで,スピーカーは,アルテック10cmシングルコーンを,20cm用の中型バックロードホーンに入れたものだったと思います.(鐘の音の感じは,幻想交響曲のそれに似ています)
それ以来,ずっと,全ての人に,鐘の音の様な音響が聴こえるものと思い込んでいました.
ところが,昨年の初夏のことですが,世界的に活躍されたピアノ調律師の方の存在を知りました.
その方は,若い頃ウィーンに暮らしておられて,ムジークフェラインザールへもよく出かけて,
コンサート中に,外部のノイズとしての教会の鐘の音も聴いたそうです.それで,
共通の友人を介して,その方に,オーケストラの音なのに,
あたかも鐘の音の様な音響が聴こえてくるのは何故なのか,その理由を教えてもらおうと思って,質問しました.
そうしたら,最新のタワーレコード盤CDを入手して調査していただけたのですが,
「どんな高級オーディオ装置を使っても,あるいは,ごく普通の家庭用装置でも,スピーカーでもヘッドフォンでも,
何度聴いても,鐘の音の様な音は聴こえません」との答えをもらいました.それは,私には全く予想外の返事で,
本当に驚きました.それからは,家族から始まって,知人に次々と聴いてもらったところ,聴こえる人と聴こえない人が存在することがわかりました.
昨年の9月には,大学の授業の機会に,次の様な実験をしました.
音源は,NAXOSミュージックライブラリから.(大学図書館が導入しているので教育研究に利用できます)
装置は,教室のPA装置(最新の装置で,昔のPA装置とは全く異なり,まあまあハイファイです)
その時の被験者数は,18名です.
質問紙で,音楽の好みや楽器経験などをきいたあと,音刺激(冒頭5分間)を聴かせ,次の設問のいずれかに答えさせました.
a. 教会の鐘の音が聴こえた.
b. オーケストラの音だが,教会の鐘の音に似た音が聴こえた.
c. オーケストラの音だが,教会の鐘の音に聞こえなくもない音が聴こえた.
d. オーケストラの音(まとまった音)しか聞こえない.
e. 個々の楽器の音が分離して聴こえた.
f. その他(        )
その結果を単純集計したところ,
a  2名 11%
b  7名 39%
c  3名 17%
d  6名 35%
となりました.楽器経験とのクロス集計結果は,楽器経験のある人の方が,
鐘の音には聴こえにくい,という様子が見えますが,他の要因も含め,
統計的な有意差は検出できませんでした.
その後,被験者を増やし,また,実験の応答方法を変更して,本腰を入れて研究を始めています.
私の知人で,オーケストラ団員,バイオリン愛好者,など,音楽に詳しい人が軒並み
「鐘には聴こえないが,ここのことかな?」というコメントでしたので,
楽器経験が深いと,音が楽器に分離して聴こえ,幻の様な鐘の音は聴こえないのかな?
などと感じています.
上に示しました,初回の実験では,e ,f の応答はなかったのですが,
後日,別の実験では,eもかなりの数に登りました.
以上,初歩的な段階の調査結果の報告をさせていただきました.


> 横から失礼します。
> 宇野氏が考えていた鐘がどんな鐘かわからないので、鐘に聞こえるかと言われても、私には、何とも答えようがないのですが、多分ベルのように、反復して鳴る様子を連想させるということなんだと思います。宇野氏の文章は、読者に観念的に連想させようとするところがありますから、鐘とは書いても、多分本人も、鐘に聞こえてはいなかったのではないでしょうか?
>  もちろん、シューリヒトにとって鐘がどうとかはあずかり知らぬことですが、意図したところは、
> >対等な効果が得られるように、クラリネットのパートをトランペットに演奏させているのだ
>  これで、間違いないと思います。
> ただ、重要なのは、なぜ対等でなければいけないか?対等にすべきと思ったシューリヒトの意図を知りたいです。
>  この掲示板を借りて、いろいろな方が想像をめぐらすと楽しいですね。
>
> 私のほうから、もう一つ、有名なウィーンとのブルックナー9番のEMI録音ですが、第三楽章練習番号F 8分29秒当たり
> この演奏では、低減の蠢きから、弦が悲痛で緊張した音型を弾き始め、金管の咆哮がそれに応えるという、実に感動的な音楽が進行しますが、こういう風に聞こえるのはシューリヒトだけで、楽譜通りに演奏すると、低弦の蠢きに金管のffが入り、少し遅れて弦が入ります。したがって、シューリヒトに聞かれる悲痛な弦の音型は、かき消されてしまいます。また、この弦の音型に応えるのは、本当はクラリネットとフルートなんです。とうぜん、”応え”になっていません。
>  回りくどい書き方になりましたが、
>  シューリヒトは、低弦の蠢きのあとの金管のffを抑え、あるいはかなり音を抜いて、その金管の咆哮に応えるフルートとクラリネットの音型を、金管の咆哮、それも音程を変えて演奏しているのです!
>  これは、バイエルンSO盤でも聞かれるので、事故ではなく、確信犯です。
> 単に表面的にいえば、未完成の場合と同じで、フルートとクラリネットでは音量が足りないから、、と説明されるかもしれませんが、シューリヒトがそうしたのは、間違いなく、あの弦の悲痛な旋律を聴かせたかったのだと思います。そして、その悲劇に応えるのにフルートクラリネットではなく、金管にしたのも、すごいセンスだと思います。
>  原典主義の人からすれば、とんでもないというと思いますが、この変更で聞かれる音楽のレベルの高さは、間違いなくオリジナルの楽譜を超えて、ブルックナーとなっています。
>  若いころ、ディーリアスのオーケストレーションを大きく変更して演奏し、作曲者の当惑を受けながらも、感心させてしまったシューリヒトの手腕が、ここにあります。
>
>
 
 
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